登山を楽しむための基本的なルールとマナー
登山は美しい自然を楽しむことができる素晴らしいアクティビティです。みんなが安全に気持ちよく登山をするためには基本的なルールやマナーを守ることが非常に重要です。ここでは、登山を楽しむためにこれだけは知っておきたい基本的なルールとマナーについて解説します。
無理のない登山計画を立てる
事前に 登る山について十分な情報を集め、難易度、歩行距離、高低差など、自分のレベルに合った山を選択しましょう。 急な悪天候や道迷いなど、想定されるトラブルが起きた際でも自力で下山できるよう余裕をもった安全な登山計画を立てましょう。また遭難時に捜索範囲を絞れるよう、登山計画を周囲に伝え、登山届を提出してから入山しましょう。山行当日も天候、噴火警戒レベル、土砂崩れや通行止め、熊の出没情報などを確認し 、危険だと感じたら入山を控える決断をすることが重要です。
適切な装備を用意する
登山の三種の神器と呼ばれる、登山靴、ザック(リュック)、レインウェアをはじめ、天候や行動時間に合わせた十分な量の水や食料を準備し、地図、コンパス、救急セットなど、安全に関わるものも忘れずに持参しましょう。山の天候は変わりやすく急な雨に濡れて低体温症になったり、怪我をして動けなくなった場合でもすぐに助けが来るとは限りません。必要な装備を準備し自分の身は自分で守りましょう。
すれ違うときはあいさつをする
登山道で他の登山者とすれ違うときは「こんにちは」などとあいさつをしてコミュニケーションをとりましょう。登山を気持ちよく楽しむためでもありますが、下山してくる登山者から「山頂や尾根は強風が吹いている」、「この先は浮石が多い」などのこの先の登山道の危険性や注意点などを教えてもらえることも多いです。またお互いに特徴を覚えておくことで、遭難時には捜索の範囲をしぼれたり、安全につながる大事なマナーとなります。
すれ違いは登る人が優先、道をゆずる人は山側で止まって待つ
登山道ですれ違うときは登る人を優先させることが一般的です。基本的に登る方が負荷が高い動作をしており周りが見えにくいため、下る人が止まってすれ違う方が安全であるためです。登山道の片側が斜面となっている場合は、ぶつかった際の滑落リスクを減らすため、止まる方がザックを山側に向けた状態で山側で待ち、歩く方が谷側を進むようにしましょう。ただし、状況によって安全な行動は異なるので、その時々で臨機応変に対応しましょう。
無理な追い抜きはしない
狭い登山道で前を歩く登山者が遅く、自分のペースで登ることができずイライラすることもあるかもしれません。しかし登山のスピードや楽しみ方は人それぞれなので、絶対に前の人を焦らせたり、無理な追い抜きはしないようにしましょう。無理をすれば体に負担がかかり、転倒のリスクにもつながります。逆に自分の後ろに歩みの早い登山者が来ている場合は、焦ってペースを速めたりせず、「お先にどうぞ」と言って安全な場所で待機して追い抜いてもらいましょう。
落石を起こさないようにする
落石は登山をする上で常に登山者につきまとう大きなリスクの一つです。最初は小さな石であっても転がっているうちに他の石に当たり大きな石の落下を誘発します。石や岩が多い斜面を歩くときは落石を発生させないように十分注意して歩行しましょう。落石をおこしてしまったときは「落石!」「ラークッ!」など、大きな声で下にいる登山者に落石があることをすぐに知らせてください。
山の自然環境の保全に努める
自分で出したゴミはたとえどんなに小さなゴミでも必ず自分で持ち帰りましょう。食べ物やカップ麺の汁なども同様です。野生動物が食べ物の匂いにつられて登山道付近に寄ってきたり、ゴミは自然分解がされず自然環境の破壊に繋がってしまいます。
また、花や植物を摘む、石を持ち帰る、岩や木に落書きをするなどの行為はしないようにしましょう。美しい自然環境を次の世代に残すことは自然を愛する登山家としての義務です。
撤退の判断は素早くする
山の天気は非常に変わりやすいので、登山中は常に天候に注意ししましょう。天候悪化やその日の体調、登山道の状況など様々な要因で行程が遅れることはよくあることです。予定している時刻までに目的地にたどり着くことが困難となった場合は、ギリギリまで粘ったりせず、怪しいなと感じた時点で速やかに下山の決断を下すことが重要です。
まとめ
これらのルールやマナーを守ることは、気持ちよく登山をするためだけではなく、山の自然環境の保護や、登山を安全なものにするために非常に重要です。これらの基本的なルールを守り、美しい自然環境を次世代へと繋ぎ、安全で楽しい登山を楽しんでください。